ICTで化学実験

平成27年度からスタートした情報コースでの新たな挑戦。ICT機器を駆使して、より楽しく、より自発的な学習を目指して様々な授業が展開されています。今回はそのうちの1つ、今村先生の化学の実験授業を覗いてみましょう。iPadはどのように活用されているのでしょうか。授業のテーマは「マルセイユ石鹸を作ろう」です。

授業担当 今村文明先生 理科教諭 2015/09/12

iPadで事前学習

化学では動画教材を利用して授業する話を最近よく耳にします。確かに動画配信のサービスも増え、容易に実験動画を見ることもできる時代になりました。さて、それでは本校理科教諭、今村先生はどのようにiPadを活用しているのでしょうか。

自分の動きをシミュレート

自分の動きをシミュレート

実験前の授業に生徒に配信されたのは実験の順序が細かく記されたPDFファイルでした。生徒たちは実験までに自分のやるべきことを事前に把握するよう指示されます。実験の当日に初めて手順を教えられ、その通り行動しているだけでは学習効果が極端に下がります。実験結果への興味も小さくなることでしょう。そのため、実験では事前学習がとても大事だと今村先生は言っていました。

将来の学ぶ姿勢に繋げる

事前学習が大切な授業で、それを自己学習でさせたのには今村先生の意図がありました。今後の学習において、自宅学習をすることは学力を向上させるために間違いなく欠かせません。今回の実験には、化学に関する学習はもちろんですがもう一つ違う想いがありました。自宅学習をしたかどうかで、実験のスピード・手際の良さには差が出てきます。
もし全く何もしてこなかった生徒は、隣の実験を見て「やっとけば良かった。」と後悔してほしい。そして次の実験、ほかの授業でも自宅学習を少しでもやるようになってほしい。そういう想いがあったと今村先生は言っていました。

データなら、どこからでも。

データなら、どこからでも。

資料の配布は本校専用クラウドサービス「大商学園高等学校CyberCampus」が利用されていました。従来のプリント資料では、すぐに紛失する生徒が少なくありませんでした。また、カバンに入れたまま自宅で出さない生徒もいると聞きます。データで配信することで、いつでもどこででも見ることができる利点があります。
CyberCampusはスマートフォンなどでも閲覧が可能なため、少しでも見る気になれば生徒はすぐに学習に取り組むことができるのです。自宅学習が慣れていない生徒にとっても、自宅で取り組むハードルを下げることができていそうです。

「 CyberCampus 」
http://www.manajin.info

楽しく学ぶ。そのためにiPadは使います。

楽しく学ぶ。そのためにiPadは使います。

「いろいろ想いはありますが、なにより楽しく学ぶことが一番ですよね。そのため今回は動画教材をあえて使いませんでした。文字だけの文章からイメージを膨らませて、実験で体験する方が多くの発見もあり楽しいはずです。授業では今後も無理にiPadを使おうとはしません。使うことが目的になってしまっては意味がないと思うのです。授業では楽しく学習するためにiPadを使うよう心がけていきます。
今村先生は、生徒が楽しそうに実験に取り組む写真を見ながら、嬉しそうに、かつ真剣な眼差しでそう語ってくれました。

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