ICTで国語

平成27年度からスタートした情報コースでの新しい授業スタイル。ICT機器を駆使して、生徒がより楽しく、より自発的な学習に取り組めるよう様々な授業が展開されています。今回はそのうちの1つ、亀山先生の国語の授業を覗いてみましょう。電子黒板とiPadを使ってどのように学習をしているのでしょうか。授業のテーマは「自由な表現」です。

授業担当 国語科 亀山英志先生 2016/03/11

自由な表現を学ぶ

タブレット端末を使った授業というと、タブレット端末を教科書代わりに使ったり、ノート代わりに使ったりという授業のイメージが先行します。本校の国語科教諭、亀山先生の「国語総合」ではどのようにICT機器を活用しているのでしょう。今回取材した授業は、俳句作りを通して自由な表現を学習する授業でした。

生徒と一緒に作る授業

生徒と一緒に作る授業

生徒たちは「自分が表現したいこと」と「それを表現した俳句」をロイロノートを使って先生に事前に提出します。亀山先生の授業は、その提出された「すべて」の作品を使って行われていました。まずは表現したい文章を共有します。それから俳句を確認。
自分たちが作った文章や俳句が使われるので、作者の生徒は少し照れながら、他のクラスメイトがどんなものを作ったのか興味を持って前に注目していました。

みんなで評価・訂正

みんなで評価・訂正

前に提示された作品にはあらかじめ亀山先生のコメントが追記されていました。先生は事前に送られた内容の全てをチェックしコメントを追記していたのです。
良かった作品には「いいねっ!」と書き込まれていました。その作品のどの点がなぜ良いのか、作者の生徒を賞賛しつつ説明していきます。作品にもう少し直すところがある場合には、「こうするともっと良くなる」ということを分かりやすく色を変えるなどして説明していきます。

みんなで一緒に評価・訂正していくことで、良い表現と良い理由を生徒は学びます。直すところと直す理由を生徒は学びます。自分で作った一つの作品の評価だけを学ぶのではなく、一人でクラス全員分の評価と理由を学ぶことが授業ではできていました。亀山先生はICT機器を活用することで、生徒と一緒に授業を作ることを実現していました。

Communication

Communication

ICT機器を授業で活用したことで最もよかったことは、生徒たちと仲良くなれたことだと亀山先生は言います。導入当初、事前にトレーニングを積んでいたとはいえ先生方は100%使いこなしていたわけではありませんでした。実際には色々とつまづくこともありました。
しかし、先生が少し困っていると生徒たちから「これはあのアプリを使えばいい!」「そのアプリはこう使うんです。」など、積極的に先生に関わってくれたそうです。「ICT」の「C」はCommunicationの略称です。まさにICT機器の活用は生徒達のコミュニケーション力を引き延ばし、先生と生徒の距離をぐっと近づけてくれたようでした。

iPadは、やりたいことをさせてくれた

先生が生徒に一方的に教える従来の授業スタイルから、生徒が主体的に授業に参加するアクティブ・ラーニングの授業スタイルへ教育界全体が動き出しています。しかし、これは教員がずっと目指していた授業スタイルだと思います。亀山先生もiPadを活用する中で自然とアクティブ・ラーニングの授業スタイルを取り入れていました。あくまで「気付いたらそうだった」という感じです。

ある生徒は、亀山先生の「生徒のあて方」を考慮し、色分けされた亀山専用座席表(iPad版)を作ってくれたそうです。亀山先生は嬉しそうに自慢してくれました。生徒が授業に参加し楽しく学ぶ雰囲気が、ひしひしと伝わってきました。


授業で主に利用したアプリ 「ロイロノートスクール」

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