ICTで数学

平成27年度からスタートした情報コースでの新たな挑戦。ICT機器を駆使して、より楽しく、より自発的な学習を目指して様々な授業が展開されています。今回は数学1を担当する田部先生、数学Aを担当する下地先生の授業を覗いてみます。電子黒板やiPadは普段の授業でどのように活用されているのでしょうか。

授業担当 田部先生(数1)下地先生(数A)数学科教諭 2015/09/12

常設の電子黒板

情報コース1年生の教室はホワイトボードに電子黒板が常設されています。本校が採用している電子黒板はiPadの画面を投影するだけではなく、画面に書き込めたり、ホワイトボードのように使うこともできます。

図は「素早く綺麗に」が基本

電子黒板のホワイトボード機能には、直線や円を綺麗に簡単に描く機能があります。下地先生はこの機能を巧みに使い、図を描いていました。図形問題の分野では、綺麗に図を描くことが分かりやすい授業をするための基本。ただし綺麗であっても、描くのが遅くてはいけません。下地先生は電子黒板を活用することで解説用の図を早く綺麗に描き、スピード感のある分かりやすい授業をしていました。

応用問題の解説

今の画面、前の画面

基本問題の次、応用問題を解いていきます。応用問題の解説の時でした。「さっき説明したこの図のように・・・」と、画面を切り替えて基本問題の図を再度表示しました。電子黒板は一度書いた画面を保存しておいて新たな画面を作っていくことができます。下地先生はこの機能を活用。一度解説した基本問題の画面を表示して振り返り、画面を切り替えて応用問題を解説をしていました。視覚的に振り返ることで、基本と応用の繋がりが分かりやすくなります。

応用問題の解説

いつでもどこでも小テスト

いつでもどこでも小テスト1

授業の理解度を確認するために、下地先生は本校用のクラウド型ポータルサイト「CyberCampus」を利用していました。このCyberCampusのオリジナルテストをあらかじめ作っておき、生徒は制限時間内にiPadで問題を解いていきます。このオリジナルテストは自宅でも行うことができ、宿題でも出すことがあるそうです。実施状況や得点を教師が確認できるため、自宅学習の指導にも有効利用ができます。選択式で比較的手軽に取り組むことができ、生徒からの評判も良いです。

いつでもどこでも小テスト2

「 CyberCampus 」
http://www.manajin.info

みんなで「間違い」を知ろう

みんなで「間違い」を知ろう1

数Aを担当する田部先生の授業では、また少し違ったかたちでICT機器を活用していました。田部先生はまず生徒に普段通りノートに問題を解かせます。そのとき、田部先生は時を見計らって机間巡視を行い、生徒がノートに書いた内容を撮影していきます。撮影は先生のiPadのカメラで行っていました。
何が始まるのだろうかと見ていると、田部先生は先ほど撮影した生徒のノートを電子黒板に投影してこう言います。「一人の間違いは、みんなの間違いやな?
実際、試験ではこういう間違いが多くある。どこが間違っているか一緒に確認するぞ!」そう言って田部先生は電子黒板に映ったノートに書き込みながら解説を始めました。

みんなで「間違い」を知ろう2

田部先生は事前に準備した内容を黒板に書き進めていく授業ではなく、生徒が実際に書いた内容を使って授業を一緒に作っていました。

ちょっと一緒にやってみよう。

ちょっと一緒にやってみよう。

最近よく耳にするアクティブラーニング。田部先生はアクティブラーニングについて、このように言っていました。「生徒が主体的になれば、それはもう立派なアクティブラーニングなのではないでしょうか。生徒が『ちょっと一緒にやってみよう。』と思うことが重要だと考えて授業をしています。」
従来してきた授業に少しの工夫を加え、生徒のやる気を引き出していく。田部先生の授業では寝てしまう生徒もおらず、みんなが真剣に取り組んでいる良い雰囲気がありました。

「使う」ことが目的ではない

田部先生も下地先生も、従来の授業スタイルにちょっとしたアイデアを入れながらICT機器を活用していました。大商学園普通科情報コースでのICT教育は、ICT機器を「使う」ことが目的ではありません。生徒が理解するにはどうすれば良いのか。そう考え続けて生まれたアイデアを、ICT機器を使うことで実現していっています。これからも情報コースの挑戦は続きます。

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