ICTで英文法

平成27年度からスタートした情報コースでの新しい授業スタイル。ICT機器を駆使して、生徒がより楽しく、より自発的な学習に取り組めるよう様々な授業が展開されています。今回はそのうちの1つ、森崎先生の英語の授業を覗いてみましょう。電子黒板とiPadを使ってどのように学習をしているのでしょうか。授業のテーマは「受動態」です。

授業担当 英語科 森崎先生 2016/10/23

授業スピードのUP

タブレット端末を使った授業というと、タブレット端末を教科書代わりに使ったり、ノート代わりに使ったりという授業のイメージが先行します。本校の英語科教諭、森崎先生の「英語表現」ではどのようにICT機器を活用しているのでしょう。今回取材した授業は、受動態を学ぶ授業でした。

「思い出す」速度

「思い出す」速度

授業が始まり、まずは前回の復習から始まります。復習は電子黒板で保存された、先日の授業の板書を使って行われました。本校が採用している電子黒板は、書いたものを保存したり、それを再度表示することができます。生徒たちは数多くの授業を受けており、思い出すのに少し時間がかかってしまう生徒もいます。
この機能を使うことで、少しでも速く生徒は前の授業を思い出し、スムーズに授業へ取り組みはじめることができている印象を受けました。

「見る」速度

「見る」速度

ホワイトボードに投影されたiPadの画面を使って文法の説明が始まりました。昔から教室では、光の加減や生徒の視力、字の大きさなどによって前に書かれた文字が見えにくいなんてことはよくありました。これは「見る」ことに時間がかかってしまい、結果として理解に時間がかかることに繋がります。しかし、森崎先生の授業ではその心配はありませんでした。
前で投影されている説明スライドが、生徒のiPadにも連動して同じように表示されています。先生がスライドをめくれば、生徒の手元でもめくられていき、「見えない」ことはありえませんでした。

「書く」速度

「書く」速度

生徒にはプリントが配布され、ノート代わりにこのプリントに生徒は追記していきます。空欄をただ埋めていくだけなら難しくありませんが、そこにどんどんマークやメモを追加していくことは少し難易度が上がります。
森崎先生はプリントと全く同じ画面を投影し、そこに直接書き込んでいきます。もちろん赤線やメモも。生徒は大事なところを自然と認識し、悩むことなくプリントに同じように書き込んでいきます。授業後、ばっちり復習できるプリントノートができていました。

大事なところは変えない。

大事なところは変えない。

森崎先生の授業はとてもテンポが良く、あっという間に授業が終わってしまいました。とてもスピード感がありましたが、決して単元の進度が速いわけではないそうです。大事なところを説明するスピードは以前と変えておらず、スピードが速くなったところは授業の細部に潜む「無駄に時間がかかる点」だと授業を見てわかりました。

ICT機器をたくさん使っても、教えたいことを教えた「つもり」になっていては意味がありません。当たり前ですが、ICT機器は使うことが目的ではありませんから。でも、生徒のことを考えながら活用方法を考えるのは楽しいです。これからも大事なところは変えずに、いろいろと活用していきたいと思います。

生徒のことを考えて作り出される森崎先生の授業が、今後も楽しみです。


授業で主に利用したアプリ 「ロイロノートスクール」

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