ICT × 国語総合

平成27年度から情報コースで、平成30年度からは特進コースに拡大してスタートした新しい授業スタイル。ICT機器を駆使して、生徒がより楽 しく、より自発的な学習に取り組めるよう様々な授業が展開されています。今回はそのうちの1つ、佐薙先生の国語総合の授業を覗いてみましょう。授業のテーマは「羅生門」です。

授業担当 佐薙先生 国語科 2018/06/15

効果的に利用する

効果的に利用する

タブレット端末を使った授業というと、タブレット端末を教科書代わりに使ったり、ノート代わりに使ったりという授業のイメージが先行します。本校の国語科教諭、佐薙先生の授業ではどのように授業で使っているのでしょう。

目で見て、振り返る

目で見て、振り返る

授業は前回の授業の振り返りからスタートしました。前回の授業で生徒が提出した資料を電子黒板に提示して、生徒の記憶を掘り起こします。多くのことを学ぶ高校生にとって、前回の授業を振り返ることには大きな意味があります。佐薙先生は視覚的に提示することで、生徒をしっかりと短時間で振り返らせていました。

板書を写す ≠ ノートを作る

板書を写す ≠ ノートを作る

次に新しい内容のノート作りがスタートしました。生徒たちはロイロノートスクールというアプリを使って先生から配信されたノートを参考に、自分たちのノートに書き込んでいきます。配信されたノートには、細かく空白にする文字数なども指示されてありました。従来の先生が黒板に板書し、それを生徒たちが写すという時間は授業でよく見る光景でした。佐薙先生はこの方法で、ノートを作ることを大切にしつつ、その時間を大きく短縮されていました。

頭の中のイメージを大切に

頭の中のイメージを大切に

授業では映像や写真を駆使し、文章をもとに頭の中でイメージを膨らませることを、佐薙先生は大切にしていました。映画「羅生門」の画像を見せたり、そこに自分の写真を加工して挿入してイメージさせるなど、「文章からイメージする楽しさを生徒に伝えたい。」そういう想いがひしひしと伝わってきました。自然と生徒の顔は上がり、前向きな発言も多く、生徒も楽しそうでした。このクラスは大学進学を目指す特進コースで、授業は問題演習や入試対策など、難しい話が多いと思っていましたが全く違いました。

スピード感のある展開

スピード感のある展開

授業の中で特に印象的だったのはスピーディーな板書展開です。板書といっても黒板に書くのではなく、iPad で配信・提示しているものです。ノートで予め作った空欄へ、授業に合わせて語句を埋めていきます。従来であれば少々時間かけて黒板に書くところ、iPadを使うことで瞬時に提示していました。

楽しさを支えるICT

楽しさを支えるICT

佐薙先生の楽しい授業を支えていたのは、教卓の上に並べられた3台のiPad。教室にある電子黒板提示と生徒iPadに配信するためのiPad。この2台を駆使することで、スピード感を失わずに授業を進めていました。さらに生徒のiPad画面をリアルタイムで確認するためのiPad。このiPadで、生徒が脱線していないか、遅れていないか確認しながら授業を進めていました。これでは必然的に『置いていかれる』生徒は出てきませんね。

大切なのは『楽しむ』こと

大切なのは『楽しむ』こと

佐薙先生の授業はICT機器を駆使した最先端の授業のように見えますが、実はその授業で行なっていることは「ノートを作る。」「教科書から情景を読み取る。」など、教科書とノートで展開されていた従来の授業と変わりはありません。
「ICT機器を使うことで生徒の学ぶべき内容が変わるわけではありません。ただ、活用することでスピードを上げたり印象を強くできます。学習において大事なことは、生徒が学びを楽しむことです。私は生徒が楽しむめるために授業の流れや雰囲気を大事に授業しています。」

取材をさせていただいて、このように語る佐薙先生の生徒たちが、心底羨ましいと思いました。

 


授業で主に利用したアプリ 「ロイロノートスクール」

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